BOOKWORM

日々夏休みのノリで読書感想文を書いています。

国内【や行】

040|『少女地獄』夢野久作|純粋さという狂気

2024.07.28 読了 昔、腕白だった(と自分で言うのも何だが)ぼくは、よく祖母から「あんたは地獄に落ちるよ」と叱られたものである。小学校にも上がらない幼児相手に、なかなか容赦のない祖母であった。その頃からであっただろうか、地獄というところがどん…

034|『初夏ものがたり』山尾悠子|幻想の向こうに

2024.06.27 読了 10年以上読まないで積読記録を更新し続けている本がある。山尾悠子さんの『ラピスラズリ』という本だ。昔、丸善の日本橋店で装丁に一目惚れして買って以来、2回の引っ越しにもついてきてくれて、今もなお本棚でひっそりとぼくの人生を見守っ…