BOOKWORM

日々夏休みのノリで読書感想文を書いています。

海外【ハ行】

047|『八月の光』ウィリアム・フォークナー|光と闇の交錯

2024.08.28 読了 ここのところ、ずっと体調不良で仕事以外はほとんど臥せっていた。年ってほどの年ではないのだが、それでも若い頃よりは確実に身体にガタが来ていて、これはしっかりと痩せて、健康的な生活を送らなければな、と思ったりもした。まあ、そん…

037|『クヌルプ』ヘルマン・ヘッセ|自由という名の痛み

2024.07.13 読了 結婚という定住生活をやめて、地元に戻ってからはフラフラと自由な生活を謳歌している。なにぶん、顔が悪く、性格も悪いうえに、生き様まで悪いと来ているから、なかなか残りの余生を共にしてくれるような恋人も友もいない。まあ、そんなわ…

030|『移動祝祭日』アーネスト・ヘミングウェイ|幸せの日々たち

2024.06.05 読了 自分自身の中で最も幸福な時代はいつであっただろうかと考えてみる。それはきっと過去の中にあって、現在この瞬間において、それを感じ取ることはきっと難しいと思う。いつだって過ぎ去ってしまってから、あの時は幸せだったと思い返すのだ…

024|『はなればなれに』ドロレス・ヒッチェンズ|埋もれた名作

2024.05.15 読了 犯罪というものには、あまり縁がない。というか、縁があったらあったで、それは前科者ということになってしまうので当然のことではある。もちろん、ぼくはたいていの人がそうであるように、これまでなんとか警察のお世話にはならずに済んで…

005|『グレート・ギャツビー』スコット・フィッツジェラルド|さあ 金色帽子を被るんだ

恋は時として人生を狂わせることがある。 こういう言葉はあまり好きではないけれど、事実、身をもってしてぼくはそのこと知っているのだから仕方がない。ぼくはその時、その恋だけで多くのものを奪われたし、あるいは多くの人間たちの時間を変えてしまった。…