BOOKWORM

本は鎖のようにつながっている。そんな”ぼく”の読書体験とちょっとした感想、とか。

作家名【ま行】

018|いったいぼくらはどこから来てどこへ行くのか?/『月と六ペンス』サマセット・モーム

昔働いていた職場でいつもガールズバーの話しかしない先輩がいた。 彼は当時40代でぼくより16、7歳は年上だった。性格はとても優しくて、とても面倒見のいい人であったけれど、とても残念なことに口を開けばガールズバーの話しかしなかった。たまに違う話を…

017|花に誘われて/『十八の夏』光原百合

ぼくが18歳というともう20年ほど前のことだ。 20年なんて過ぎてみればあっという間だったし、大したことがあったわけでもないけれど、考えてみればけっこうな時間である。あの頃生まれたばかりの新生児たちはみな成人しているわけだし、あの時成人したばかり…

012|なぜ、彼はラヴェルを弾いたのか?/『いちご同盟』三田誠広

最近になって──とはいってもここ10年くらいの話なので、あまり最近とも呼べないかもしれないけどよくマンガを読むようになった。 昔はあまり読まなかったのだけど、おじさんと呼ばれるような年回りなってからふいにマンガを買うようになった。10代から20代ま…

008|『ボクたちはみんな大人になれなかった』燃え殻 |たしかにぼくたちはそこにいたんだ

<内容>それは人生でたった一人、ボクが自分より好きになったひとの名前だ。気が付けば親指は友達リクエストを送信していて、90年代の渋谷でふたりぼっち、世界の終わりへのカウントダウンを聴いた日々が甦る。 90年代というと、ぼくは大半を小学生で過ご…