BOOKWORM

本は鎖のようにつながっている。そんな”ぼく”の読書体験とちょっとした感想、とか。

作家名【な行】

004|『八本脚の蝶』二階堂奥歯 | ”限界”という世界の中で

<内容>二十五歳、自らの意志でこの世を去った女性編集者による約2年間の日記。誰よりも本を物語を言葉を愛した彼女の目に映る世界とは。 25歳といえば、ぼくはいったい何をしていただろうか、とふと考えてみる。 当時、大学を出て少し経った頃だったけれ…

001|圧倒的質量を持った物語/『千年の愉楽』中上健次

中上健次の作品と出会ったのは、今からもう10年以上も前のことになる。 その当時、信じられないことではあるけれど、ぼくはまだ20代前半で、東京駅の前にはまだ八重洲ブックセンターの本店があった(残念ながら本店は2023年3月に営業を終了してしまった)。…