BOOKWORM

本は鎖のようにつながっている。そんな”ぼく”の読書体験とちょっとした感想、とか。

作家名【さ行】

011|『きみの鳥はうたえる』佐藤泰志|その夏がずっと続けばいいと思った

<内容>世界に押しつぶされそうになりながら懸命に生きる若者たちのたったひと夏の青春を切り取った名作。 20歳の頃を思い出すと、底抜けに楽しかったこという記憶しかない。とくにその年の夏は本当におもしろかった。 夜半に公園のベンチに集まって、な…

010|『燃えよ剣』司馬遼太郎|日和雨のむこう側で

<内容>江戸時代末期、”バラガキ”と呼ばれた少年が京へと上がり、新選組を結成し、時代に翻弄されながらも剣に生きる道を貫いていく。鬼の副長・土方歳三の生涯を描いた壮大な大河小説。 ちょっと前に、ひさしぶりに映画館に映画を観に行った。ぼくはあまり…

007|『ナイン・ストーリーズ』J・D・サリンジャー|小説の完成形

<内容>代表的短編の「バナナフィッシュにうってつけの日」など九編を収録。若者が内包する苦悩を、胸に突き刺さるような繊細な物語に託して、世界中で熱狂的な読者を有するアメリカ現代文学の巨匠が、自ら編んだ作品集。 実家を出てからも、同じ町内に、ア…