その昔、ぼくは作家になることを信じて疑わない、世間の見えていないクソガキだった。とにかく読んで、とにかく書いてという生活が当たり前で、仕事の昼休みも電車の中でもとにかく文章を書いていた。でも、いつしか読書を忘れて、文章を書くこともしなくなり、ただの太った中年へと成り下がってしまった。
あの時の鋭い牙はとうに折れてしまって、もう何もかもが面倒くさくなって時折呼吸することすら面倒に感じてしまうのだけれど、また読書生活に戻ってみて、あの時の牙が戻ってきた気がする。それであれば、中年は中年なりの矜持というものを見せてやろうと思い、文章を書く練習がてらこのブログを始めた。
しかし、このブログも60記事を超えて、そろそろちがうアプローチで文章を書いてみたいと思い、noteなるものを始めてみた。noteというとクリエイティブでオシャレな人たちがオシャレな文章を書くブログのようなプラットフォームというイメージがあった。ぼくみたいななんでもないおじさんが入っていこうものなら、それだけで炎上してしまいそうだと思って敬遠していたのだけれど、最近になって小説を書き始めて、アウトプットできる場が欲しいと思ったのもその理由の一つだ。
昔は自分をとてもクリエイティブな人種だと思っていたけれど、才能のかけらもなく、それでも自信だけは人一倍あった。でも、あの頃の自分が優れていると思うのは、自分のクリエイティブな部分に向き合っていたことだ。今のぼくにはもうクリエティブなんて呼べる部分はほとんど残っていないけれど、まだ書きたいというそのひとしずくだけ残された、最後の部分に向き合うことができたらと思う。
noteではおもに創作についてやっていきたいと思う。こうネット上で発表することで自分の退路を断つことにもなるので、あえておしらせしてみようと思った。もし、興味のある方がいたら、こちらもぜひ覗いてみてもらえるとありがたい。